日本で唯一の「年商30億円の壁」超えコンサルティング

「エースで4番」の組織から現場の直接マネジメントと経営層の間接マネジメントからなる真の「階層型組織」への変革をサポート

ライフサポート株式会社 取締役 長田 有司 様

当社は現在、保育事業と介護事業の二事業を運営しています。私が取締役になった10年前は介護事業が主力で、保育事業はこれからという状況でした。「ゆりかごから墓場まで」、人のライフ(人生)をサポート(支援)するコンセプトのユニークな会社でした。

当時の組織は、経営幹部が主に意思決定やマネジメントを行っていて、他のスタッフ含めて全体を取り仕切るという、まさに「エースで4番」型の組織でした。この頃の介護事業は大型の有料老人ホームの成長期であり、大きな組織を動かすことが必要で、トップダウンがとても良く機能していました。

10年前の年商20億円規模の会社が現在の50億円の会社までに成長した要因は大きく分けて3つあると思います。

まず1つ目は保育事業の成長です。当時、世の中の時流にも乗り、年に3〜4の保育園を開設していきました。また、当時主流ではなかった子育てひろば事業や学童クラブなど、行政からの受託事業に着目して展開したことも成長の後押しになりました。
当社の事業は制度の理解が不可欠です。その制度も行政によって様々で、時流によって変化し続けるのも特徴です。新しい事業展開につながり続けるために、情報収集→分析→理解→実践という流れができたことで、爆発的ではありませんが安定した事業拡大に繋がったと思います。その事業展開の流れができたことで、組織をもっとフレキシブルなマネジメントのスタイルに変えていく必要がありました。

2つ目は理念・ビジョンを浸透させることにより、マネジメントの概念を強化したことです。当社の理念は「わが社は、保育事業と介護事業を通して、明るく豊かな福祉社会の実現を目指します。」です。更にそれを具体化した形で「経営方針」と「行動指針」があり、行動レベルにおいては、「社員の心構え」と「組織、人財、利益マインド」へと細分化される形で行動を定義しています。
特に重要視している考え方が、ホスピタリティとビジネスの両面で事業を考える、ということです。社長はホテル業界出身で、ホスピタリティに理解があり、それが全社によく浸透している要因だと思います。介護や保育の事業というものはホスピタリティ精神がなければできませんが、結局は事業であるため、ホスピタリティだけでは利益が出ずに存続できないというのも事実です。この両面での考えをいかに浸透していくかを徹底していきました。

保育園の先生という方々は基本的に「職人タイプ」が多いです。ホスピタリティ精神が高いため、「質の高いサービスを」という思いで日常業務に励んでいます。良いことですが、そうであるがために過剰なサービスがしばしば発生し、利益が出ないという状況がよく起こります。

そこで当社が取り組んだのが、園長はもちろん、主任と呼ばれる先生の中でも管理職スタッフに対して、経営感覚とマネジメントを教育することでした。会社として利益を出すことはどういうことか、という基本的なことはもちろん、損益計算書の読み方などをしっかりと伝え、ビジネスを存続させていくためには何が必要か、ということを徹底的に浸透させていきました。
そうすると、経営数値の感覚が徐々に身についてきて、「余裕をもって仕事をする、その余裕が無駄なのではないか」と、サービスの品質を落とさずにいかに利益を出すかという考えが当たり前になってきたのです。

それにプラスして、マネジメント力を上げていくために、先生と言われる職員の方々へコミュニケーションの在り方や、職場のリーダーとしてどのような考え方とスキルが必要かという研修も定期的に実施しました。そういった研修を通して学んだことをすぐに現場で活用し、何か問題が起こった場合に経営層へフィードバックし、間接的にマネジメントするという流れが出来上がったのです。

3つ目は落とし込んだ理念とマネジメントの概念をもとに、人事評価制度に落とし込み、マネジメントコミュニケーションを密にしたことにより、マネジメントが更に強化され、また適切な評価により社員のモチベーションが上がる、という好循環ができたことです。当社のライフサポート理念はクレドのように小さく携帯するようになっていて、事あるごとに唱和をしています。しかしながら、理念と現実が則していないところもあるので、それをより近づけるのが今後の課題であります。

更に理念浸透していく上で、当社の理念やビジョン、行動指針などは全て人事評価制度に反映されていて、それらを体現した社員が適切に評価させる仕組みにしました。そうすると、当社が大事にしていることを社員一人一人が意識し、行動してくれるため、組織の価値観が一つにまとまっていったのです。
また、人事評価の過程の中で、管理職と社員が定期的に1on1で目標の進捗について面談することで、評価期間を終えた時の最終的な評価も、上司と部下の間で大きなギャップが発生することはまずありませんので、不満をもって社員が辞めていくということも少なくなりました。

さらにマネジメント上のコミュニケーションが密になったため、現在進行形で起こっている現場の問題について素早く解決できるようになり、管理職のマネジメント力が上がりました。現場の管理職では対応しきれない問題については、我々経営層が管理職に対して間接的にマネジメントすることで対応し、それが管理職のマネジメントノウハウの蓄積になり、マネジメント力が更に上がっていく、という流れを生み出しました。

現在では現場で発生した問題は、ほとんど現場の中の裁量で解決できるような組織になり、「エースで4番」の組織から現場の直接マネジメントと経営層の間接マネジメントからなる真の「階層型組織」になりつつあります。

今後、介護は現状維持をしながら、成長著しい保育事業に更に力を入れるつもりです。特に、近年、ネイティブスピーカーの先生による英語の保育園を買収したので、そこのネイティブスピーカーの先生を各保育園に派遣、導入することで英語での保育にも力を入れていきたいと思います。
しかしながら、マネジメントスタイルの変換、マネジメント力が改善したと言っても、まだまだ理想からはかけ離れていると認識しています。今後も積極的な商品開発と組織作りを中心とした内部統制をしっかり固めていきたいと思っています。

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