日本で唯一の「企業成長の壁」超えコンサルティング

本当の意味で「理念が浸透できた」と実感

株式会社インフィニティエージェント

 設  立 2015年5月15日

 従業員数 55名(2023年10月末日時点)

 事業内容 デジタルマーケティング事業

      フィンテック事業

      リフォームテック事業

 売  上 27億1,100万円(2023年3月期)

      34億円(2024年3月期見込み)

 H   P  https://infinity-agent.co.jp/

WITH株式会社

「超後発」から毎年150~200%の成長率

当社、インフィニティエージェントは2015年設立のデジタルマーケティングの会社です。私はもともと事業会社で新規事業開発に従事していたのですが、事業開発後のマーケティング活動に苦戦し、1年足らずで事業をクローズしたという経験から「良い商品をつくっても、それを人に知っていただかないと意味がない」ということに気付き、デジタルマーケティング事業を行なっている東証プライム企業へと転職をしました。

しかし、その企業でも「広告効果」への言及が多く、肝心の「売上」へどう寄与しているのか、そこまで言及するようなデジタルマーケティングの会社が世の中には無いことに気付きました。

そのような事業会社での失敗経験と、デジタルマーケティング会社で気づいた「広告効果のその先」へと踏み込んだ「売上につながる」という、真の意味のデジタルマーケティングエージェンシーを作るべく、インフィニティエージェントを立ち上げました。

社名の「インフィニティエージェント」のインフィニティは「無限」を意味します。その文字通り、顧客の商品・サービスをインフィニティエージェントのセールス力とデジタルマーケティング力で「無限の可能性」を引き起こし、その結果として社会に価値を提供でき、感動を与えるような仕事をしたい。

そのような想いから、2017年にレッドオーシャンである「デジタルマーケティング事業」を始動し、その市場においては超後発の参入ながら、売上が「3.7億円」→「8.8億円」→「14億円」→「22億円」→「28億円」と、毎年150~200%の成長率で組織拡大してきました。超後発ながらもこのような成長を遂げられたのは、まさに当社を立ち上げる際に想定していた「広告効果のその先にある売上への言及」が顧客にも市場にも潜在的にあった悩みであり、それが受け入れられたのだと自負しています。

この調子で佐々木さんの書籍にもある「年商30億円の壁」の突破はもちろん、50億、100億円へ向けて一気に壁を突破して、更なる成長を目論んでいました。

年商30億円を前に「壁」が立ちはだかる

しかし、そのように組織が急拡大していくに連れて、経営とメンバーの間における物理的距離が徐々に開き、ミドルマネジメントも機能しないまま、結果として理念浸透はおろか会社へのエンゲージメントも低くなってきていたのです。

経営者である自分の想いや考え方が正確にメンバーに伝わっていない。これは経営者である自分自身の責任であることはもちろんなのですが、片方で経営者の代弁者となるミドルマネジメントが機能していない、ということが如実に明るみになりました。

「売上」という面で会社は成長しているのですが、社内にはどこか「ぎこちない」雰囲気が流れており、「このままではマズい」という危機感から、組織としての一体感、結束力を強めるために、他社の事例などを参考にしながら、社内で様々な取り組みを実施しましたが、なかなかうまくいきませんでした。

そのような中、世間はコロナ禍という厳しい環境でしたが、意を決して「全社員で合宿をしよう」と、合宿に活路を見出そうとし、決行の意思決定をしました。

エースで4番社長だった自分に改めて気付いた

合宿の中でなにか「学びのコンテンツ」を取り入れようと様々な書籍で調査をしていた中で、以前から面識のあった佐々木さんの著書「年商30億円の限界突破」を読み、書籍の中にあった「エースで4番社長」という表現とその特徴が、まさにその当時の自分をそのまま表現していた内容になっていてハッとしたのです。

年商30億円の壁を超えられない企業の特徴に、例えば「社長が現場のトップとして活躍している」「経営目線で日々仕事をしているのは社内で社長だけしかいない」「社員が一人前になる前に退職してしまう」など、まさに当時の当社の状況そのものを表していました。

その時に改めて思ったことは、自分では自分の想いや考えを伝えていたつもりでしたが、ミドルマネジメントに本当の意味で分かってもらうための「咀嚼」ができておらず、実際にミドルマネジメントから社員に対してのフィードバックが「社長がそう言っているから」や「会議で決まったことだから」という伝言ゲームになっており、大事な「Why」、つまり目的意識がなく「なぜやるのか」「なんにためにやるのか」が社員に全く伝えられていなかったのです。

私自身、しっかりとミドルマネジメントに「権限移譲」ができていると思っていたのですが、それは「形」や「口」ばかりだったのだと改めて反省しました。

合宿後に大量離職

実際に意を決して実行した合宿は、佐々木さんにリモートで実施してもらった研修以外は全くワークせず、それどころか一部の社員の「上司の悪口を言う」「社員が上司や会社を評価する」といった行動が助長されていき、それらの社員が合宿終了後に一斉に退職していく、という事態になったのです。

それが1つのきっかけとなり、「大量離職する」→「その仕事のシワ寄せが残っているメンバーにくる」→「1人ひとりの業務負担が増え、マネージャーも現場業務に忙しくなる」→「ミドルマネジメントがますます機能不全に陥る」→「退職者が出る」という負の循環に陥ってしまいました。

結果的に業績不振へとつながり、その年「通過点に過ぎない」と思っていた年商30億円を超えることなく、売上は創業以来、初めて横ばいになり、佐々木さんの本にあった「年商30億円の壁」にまんまと阻まれてしまったのです。

WITH株式会社

場当たり的な対策

ただ、その当時もただ手をこまねいていたわけではなく、打開策を見つけるために様々な書籍、文献を読んだり、組織運営がうまくいっている知り合いの社長の方々に話しを聞いたり、マネージャーを集めて様々な議論を重ねたり、その中で「これをやってみよう」と思ったものを色々と取り入れたり実践したりしました。

例えば「理念カード」「理念やビジョンなどの唱和」「Good&New(※身の回りで起こった良い出来事を理念・ビジョン・マインドに重ねて発表)のシェア」「社章」「ポスター」や、帰属意識醸成のための「ステッカー・社名ラベル付きミネラルウォーターなど自社オリジナルのノベルティ」などです。しかし、それらの手法はいずれもうまく機能しませんでした。

今振り返ってみると、様々な手法は本質的な対策ではなく、全て「行き当たりばったり」の対策であり、根本的な解決策ではなかったと思います。

そのような状況の中、合宿で研修をしてもらって以降も、佐々木さんには幹部合宿やネクストリーダー(次の管理職候補)向けの研修など、間を空けながらスポット的にサポートしてもらっていましたが、根本的解決を求めて本格的に当社に入り込んでもらうようお願いしました。

会社の土壌が良質になる

そうして2022年の5月から、いくつかのグループに分けて全社員を対象に、小手先のものではなく、原理原則に立ち返るという意味で「理念研修」と銘打ち、月1回、毎月実施していくプログラムを進めました。

理念やビジョンという抽象的なものに対して全社員の解釈を揃える、そして理念やビジョンは会社の「Why」、つまり「目的」なので、その目的を改めて浸透していくことで、当時バラバラだった組織を一枚岩にしたかったのです。

印象的だったのは、このプログラムの提案時に、佐々木さんから「このプログラムを実施することで、一時的に離職が増えるかもしれません。」と言われたことです。
社員一人ひとりが改めて自身と会社について深く考え、かつ価値観を共有していくプログラムなので、私自身もそれは覚悟を決めていました。

結論から言うと、このプログラムの月1回の研修の度に、社員の顔つきや飛び交う言葉が如実に変わっていきました。

研修の中で全社員に共通言語ができ、また「なぜウチの会社に入社したのか」「ウチの会社は何を目的にしているのか」「自身はその中でどのようになっていきたいのか」など、佐々木さんの言葉でいう「ビジョンリンク」を、社員一人ひとりが研修の度に咀嚼することで次第に腹落ちしていき、研修以前はそのビジョンリンクの度合いが恐らく1割程度だったと思いますが、現在は感覚値ではありますが、全社員7割程度まで引き上がったように感じます。

ミドルマネジメントに関しても、まだまだ100点とは言えませんが、私や会社の想い、目的というものを自分達の言葉で語れるようになってきています。

離職に関しても、当初想定していた通り一定数は出ました。しかしそれはそのメンバーと会社の価値観のギャップがどうしても埋まらないという結果であったため、そのメンバーの人生と、会社の未来の双方を考えると良かったのではないかと思います。

現在まで1年半、このプログラムを実施し続けて、家庭の都合などのやむ得ない理由を除けば、かなり離職は減りました。(図参照)もちろん、まだまだ課題はありますが、1年半かけて会社の「土壌」がしっかりしてきたと思います。

会社の土壌がしっかりとしているからこそ「幹」は育つのだと思いますし、逆に会社の土壌がしっかりしていないと、時には育った幹がいきなり倒れることもあります。
そのような意味では、当社が大量離職し、売上が停滞していた時期は土壌がしっかりとしていなかったのだと改めて思います。

経営としては「理念を浸透させたい」という思いで、これまで様々な取り組みをするものの、結果としては社員への「押し付け」のような形になりうまくいきませんでしたが、現在では本当の意味で「理念が浸透できた」と実感しています。

佐々木さんをボードメンバーへ

1年半前から本格的に当社に佐々木さんに入り込んでもらい、本当に良かったと思っています。これまで私自身、佐々木さんと同じような、いわゆるコンサルティング会社から数多くの提案を受けてきました。

ただ、特に中堅、大手のコンサルティング会社の場合、実際にコンサルティングをする方が経営者ではなく、経営をしたことがない一般社員だということ。また、そのような組織構造上コンサルティング単価が高く、費用対効果に見合っていないと感じること。そしてコンサルティング内容が基本的にはパッケージ商品であることなど、私としてはそのような会社にコンサルティングをお願いしたくはないと思い全てお断りしてきました。

佐々木さんの場合は、ご自身も会社を経営されており、社員の方ではなく佐々木さん自身がコンサルティングしてくれますので、その経営者の経験と視座が私と同じ、という意味で信頼できますし、また中堅、大手という規模の会社ではないため、間接コストが載らない純粋なコンサルティング費用のみということで費用対効果が高いです。

そして、企業個別のニーズにジャストフィットする可能性が低い、かゆい所に手が届きそうで届かないような「パッケージ商品」という形ではなく、その会社の現状やニーズに対して、必要なものだけをオーダーメイドでプログラム化し実行してもらっているので、効果が出ることに疑いがありません。

あとは相性でしょうか。コンサルティングサービスは人間が実行するものなので、特にサービスを受ける側とコンサルタントとの人間的な相性はとても大事だと思っています。

そのようなこともあり、当社は近い将来、上場を目指していますので、それを見据えた形で佐々木さんには昨年の10月より当社の社外取締役に就任してもらいました。佐々木さんとは定期的に食事をしているのですが、焼き鳥屋で「社外取締役になってくれないか」という私の打診に、2つ返事でOKをもらったのは印象深かったですね。笑

終わりなき成長を続け、まだ見ぬ景色を見る

やはり当社もそうでしたが、周りの多くの社長から見聞きして感じるのは、急成長している会社ほど忙しく、当社が直面している課題のような「会社の土壌」という根幹部分に立ち返ること、見つめ直すことができていないと思います。

私自身も「研修に時間を使うヒマがあるのであれば、営業活動に時間を使い、1件でも多く受注すべき」と思っていましたし、そのように思っている経営者も多くいると思います。

しかし、実際は会社の土壌がしっかりしていなければ、そして良質なものでなければ、たとえ売上が上がり、「見た目」の企業成長をしていたとしても、結局それは「市場が良いから」「たまたまうまくいっている」という短期的で中身のないものであり、いつかは継続的な成長が止まる「壁」に阻まれる時がきてしまうことを実感しています。

土壌が良くなければ育つ木の幹は太くならず、逆に細くなるどころか最悪の場合、腐ってしまいます。この表現は「企業」というものに置き換えても同じことが言えると思います。会社の土壌が良質であることにより、結果、売上も太くしっかりと伸びる。この考え方が企業を経営する上でとても重要ではないでしょうか。

当社としても気づけなかったこの「会社の土壌を見つめ直す」という課題は、いわゆる緊急性は低いけど重要性が高い「第2象限」のカテゴリだと思います。急成長をし続ける、ということと同時に、そればかりではなく、いったん我慢して「組織をつくる」ということの大事さに改めて気付きました。

その土壌が整った上で、営業の強化を中心とした「人が育つ仕組み」、その人達がしっかりと業務を遂行できる「オペレーションの整備」、そしてその実行とモニタリングができている「ミドルマネジメント」。これらがしっかりとできていれば、当社もそれに該当しますが「労働集約ビジネス」形態の企業は間違いなく成長できます。

私は「終わりなき成長を続け、まだ見ぬ景色を見る」という個人的な理念を掲げています。先述しましたが、近い将来上場をすることをマイルストーンの1つに置き、私自身としても会社全体としてもそれをゴールとはせず、更なる成長をし続け、当社の理念である「セールスとデジタルを駆使し、無限の可能性を引き起こす」や、ビジョンである「変化を恐れず新しいことにチャレンジし続け、社会に価値を人に感動を提供する企業」へ向けて、これからも邁進していきたいと思っています。

WITH株式会社

タイトルとURLをコピーしました